ルカによる福音書 17章20~21節 「あなたがたの間に」
あなたがたの間にこそ神の国があるということは、「関係性」において神の国は表わされるということです。簡単にいうと、人と人との間には、いつも主イエスがいてくださって働いてくださっているのだということです。けれども、わたしたちには、それがいつも分かるとは限りません。それでも不思議な感覚で他者との心のつながりを感じることがあります。そんな時、そこに主イエスがいてくださって助けてくださろうとしているのだと思います。わたしたちの心を繋いでくださっているのです。今日の礼拝は、NCC、日本キリスト教協議会教育部のキリスト教教育週間のプログラムと連携したいと願って行なわれています。今日の献金から「平和のきずな献金」としてささげます。先程見た写真のアハリー・アラブ病院は五つの献金先の一つです。パレスチナはイスラエル(聖書のイスラエルとは区別します)によって侵略され、1948年にイスラエルが今の場所に建国されました。もともと住んでいたパレスチナ人たちは住むところを奪われ、他の国に逃げていく人たちも大勢いました。「パレスチナ難民」と呼ばれる人たちです。60年以上にわたるイスラエルの支配によって、パレスチナは壁に囲われ、自由が奪われています。イスラエルという国の中にパレスチナ自治区と呼ばれるパレスチナ人の居住区が北側と南側に二か所ありますが、イスラエルは入植といって自分たちの家を建てたりして侵入を続けています。ガザ自治区はイスラエルの地中海沿岸にあります。パレスチナは、絶えずイスラエルの爆撃などの武力攻撃にさらされています。イスラエルの戦車もヘリコプターも色々な人を殺す武器はアメリカの協力で手にいれた最新式の最高の性能をもつものばかりです。その攻撃の中にただ中にあって、人のいのちを守り続けている、アハリー・アラブ病院を覚えたいと思います。どうして、パレスチナが今のようになったかを説明する時間が今日はありません。どうか、それぞれが中東の歴史に関心をもって学んでくださるとありがたいです。第二次世界大戦前は、パレスチナ人もユダヤ人もキリスト教徒もイスラム教徒も、あの土地で隣人として仲良く暮らしていたのです。暴力的な仕方でイスラエルができてから 60年以上たっていますから、その事実を覚えていて生きている人たちは少なくなってきています。でも、かつて平和に暮らしていたことが語り継がれていくなら、それは仲間として暮らしていける世界を求める記憶へとつながっていくことができると、わたしは信じたいのです。そのような世界を願い、パレスチナのガザで日常的にイスラエルからの爆撃の中で医療活動を続けているアハリー・アラブ病院の働きに心を寄せながら、神の国の実現を共に祈りましょう。
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